はじめに:Nano-bananaでLive2D用パーツ分けの検証について
Live2Dモデルを制作する際には、キャラクターの目・髪・口・服など、さらにそれぞれで細かくパーツを大量に描き分ける必要があることを知る機会がありました。
想像以上に手間と労力がかかる工程であり、制作者にとって大きな負担になっているのが現状です。
そこで今回、AI画像生成ツール Nano-banana (公式ページはこちら)を使って、このパーツ分け作業が可能なのか、どこまで効率化できるのかを実際に検証してみました。
実験内容はアニメ風の少女イラストをベースにして、
- ✅ まずはNano-bananaの強みを確認
- ✅ 三面図の出力
- ✅ 正面図からのパーツ分け
を行い、Nano-bananaの特性確認と、本題であるキャラクターのパーツ分けができるか検証しました。
第1章:アニメ風少女イラストをベースに
最初に用意したのは、アニメ調の少女キャラクターの正面イラスト。(canvaで生成しました。)
この画像をNano-bananaに読み込ませ、以降の出力実験の基準としました。

第2章:まずはNano-bananaの強みを確認
🚴 バイクに乗った状態を生成
本題のパーツ分けに入る前に、まずはNano-bananaの強みを確認するために「少女をバイクに乗せる」というような指示を与えてみました。

第3章:三面図の出力
次に挑戦したのは三面図(正面・側面・背面)。

2回目

第4章:正面図からのパーツ分け
正面イラストは安定して出力できたため、その素材を前提に パーツ分けの自動生成 に挑戦しました。









結果、
- 顔・髪・体といった大まかな分割は可能
- ある程度は元の形を保てている
- 細かいパーツ分けは難しい
- 最後まで(この検証であれば足まで)生成されない
※ちなみに前バージョンのGemini2.0でも試したところパーツ分けが全くできなかったので、そこからはかなり進化しているようです。
第5章:まとめ ― 完全自動化できるか?
今回の検証を通じて、
- Nano-bananaは従来よりも確実に進化し、大まかなパーツ分けは可能になった
- 三面図や正面図の出力は十分に実用レベル
- ただしLive2Dに直接使える精度にはまだ届いていない
という結論になりました。
補足:Live2Dのパーツ分けは今どうしているのか?
現在のLive2Dモデル制作では、パーツ分けは Adobe PhotoshopやClip Studio Paintを使った手動作業が中心 のようです。
また、Live2D公式の Material Separation Photoshop Plugin を使えば「Cut Out」「Transparency Fill」といったAI補助による半自動処理も可能ですが、まだ完全自動化には至っていません。
更にAIが進化し、パーツ分けをフルオートで実現できれば制作工程を大幅に短縮し、誰でも気軽にLive2Dモデルを作れる時代が来るかもしれません。